ダムをやめれば、サクラ咲く。
スローでマイペース、しかも複雑系。
美しき頑固ものサクラマスを追いかけて
日本の川を旅する!
サクラマスは生まれた川でしか生きられない。
日本のマス最後のファンタジー、サクラマス一族の謎を解き、
脱ダムの未来を斬りひらくタイムリーな一冊。
世界唯一の〝サクラマス単行本〟!
もっと深く、よりくわしく、面白く、
サクラマスの秘密を知りたい方の必読書です。
水口憲哉(著)
ISBN978-4-939003-39-4
本体 1,714円
サクラマスよ、故郷の川をのぼれ!
●ダムをやめ、川を川として活かす。乱獲はしない。何もしなければサクラマスは増える。
●サクラマスの生活史は人工ふ化放流に向いていないのに、サケに見習えとばかりにとばっちりを受けた。
●作りたい側はみんな最後に「穴あきダムにします」と言う。しかし実際は穴あきダムは屁にもならないものだ。
●ダムを作るのにも止めるのにも仕込まれたサクラが入っていて、これでは〝サクラ革命〟ではないか。(本文より)
水口憲哉氏の単行本新刊『桜鱒の棲む川 ─サクラマスよ、故郷の川をのぼれ!』を発行します。
本書では全国各地の「桜鱒の棲む川」の過去と現在を、独自の調査に基づいて具体的に論考します。そして私たちが「桜鱒の棲む川」を未来へつないでゆくためになにが必要か、なにができるのかを分かりやすく解き明かします。
ベストセラー『魔魚狩り』の著者が脱ダムの真実を問いかける、痛快サイエンス・エッセイです。
>「桜鱒の棲む気仙川トーク」UST動画・配信中
(2010.6.5.岩手県陸前高田市/主催:めぐみ豊かな広田湾と気仙川を守る地域住民の会)
【紹介記事】
中日新聞コラム(2010.5.1)
環境緑化新聞一面(2010.6.15)
本書で旅をする全国の川(一部)
山形県・小国川/山形県・最上川/山形県・赤川/秋田県・米代川/秋田県・阿仁川/秋田県・雄物川/富山県・神通川/富山県・庄川/福井県・九頭竜川/石川県・犀川/石川県・手取川/東京都・多摩川/神奈川県・酒匂川/新潟県・三面川/新潟県・大川/岩手県・安家川/青森県・老部川/岩手県・気仙川/北海道・斜里川/北海道・サンル川/岐阜県・長良川 etc.
本文目次
Ⅰ 美しき頑固もの、サクラマス 【公開】
プロローグ ─ 桜鱒の棲む川をめぐる旅の始めに
いつから「サクラマス」と呼ばれるようになったのか/サクラマスの一族には四つの亜種がある/北海道での呼称「ヤマベ」は本州から伝わった/スローでマイペース、したたかな頑固もの、サクラマス/この一〇〇年でサクラマスの生息環境は激変した/川が川でなくなった時サクラマスは途絶える
Ⅱ サクラマス・ロマネスク
六億六千万円かけて遡上ゼロの「県の魚」 016
コラム① サクラマスの起源を考える 022 【公開】
サクラマスのロマンと資源管理 024 【公開】
コラム② ヤマメとサクラマスとを分ける鍵、スモルト化 030 【公開】
一二〇年前のサクラマス漁獲量を読み解く 032
コラム③ サクラマスの海洋生活と母なる川 038 【公開】
Ⅲ サクラマスよ、故郷の川をのぼれ
山形県・小国川 ダムのない川の「穴あきダム」計画を巡って 042
コラム④ カワシンジュガイは氷河時代からのお友達 048
山形県・赤川 サクラマスのふ化放流事業は失敗だったのか 050
コラム⑤ 信州の高原にサクラマスが遡った日 056
秋田県・米代川 サクラマスの遊漁対象化と増殖事業との複雑な関係 058
富山県・神通川 サクラマス遊漁規制の経緯とその影響 064
コラム⑥ 「戻りヤマメ」とは何だろう 072
福井県・九頭竜川 九頭竜川は〈世界に誇れるサクラマスの川〉になるか 074
コラム⑦ 自由なサクラマス釣りの魅力とその未来 080
石川県・犀川 南端のサクラマスと辰巳穴あきダム訴訟 082
コラム⑧ 湖に閉じ込められたサクラマスたち 088
新潟県・三面川ほか 新潟サクラマス釣り場の現状と問題点 090
コラム⑨ 中禅寺湖のホンマス、木崎湖の木崎マスの正体は 096
岩手県・安家川 サクラマスよ、ウライを越えよ 098
青森県・老部川 原発、温廃水、サクラマスの〈ブラックボックス〉 108
コラム⑩ 海と川のサクラマス、どちらがおいしいか 114
岩手県・気仙川 サクラマスが群れる川のダム計画 116
コラム⑪ はじめに人工ふ化ありき 126
したたかに生き延びよ、サクラマス 128
コラム⑫ マリンランチング計画という悪い冗談 134
北海道・斜里川ほか 北の大地のサクラマス、特別な事情 136
コラム⑬ 内村鑑三とサケ・マス増殖事業 144
岐阜県・長良川 長良川河口堰とサツキマスの自然産卵 146
Ⅳ ダムをやめれば、サクラ咲く
レッドデータブックを疑え 158
コラム⑭ キツネのチャランケ 164
ダムをやめれば、サクラ咲く 166
コラム⑮ サクラマスは故郷の川でしか生きられない 176
エピローグ ─ 桜鱒の棲む川のほとりで 178
あとがき 188
ダムをやめれば、サクラ咲く。
著者紹介
水口 憲哉(みずぐ ちけんや)
1941年生。原発建設や開発から漁民を守る「ボランティアの用心棒」として全国を行脚し続けている。著書に『釣りと魚の科学』、『反生態学』、『魚をまるごと食べたい』、『海と魚と原子力発電所』、『魔魚狩り ブラックバスはなぜ殺されるのか』、『放射能がクラゲとやってくる 放射能を海に捨てるってほんと?』など多数。千葉県いすみ市岬町在住。夷隅東部漁協組合員。資源維持研究所主宰。農学博士。東京海洋大学名誉教授。
「『桜鱒の棲む川』は、今までに書いた本の中でもっとも気持ちの入った一冊です」(水口憲哉)
☆著者インタビュー(1)