【公開】日本フライフィッシングの軌跡2|万博とカーターさんの頃(フライの雑誌-第69号)

フライの雑誌-第69号(2005)から、特集◎日本フライフィッシングの軌跡2|万博とカーターさんの頃を公開します。

> PDFファイルで公開します。

道楽を誇ろう。

第61号で大好評を博した独自企画の第二弾。

特別座談会「道楽を誇ろう。高田弘之×山田安紀子×鈴木俊一」は、カーター大統領の忍野でのフライフィッシング裏話から開高健氏のモンゴル・イトウ釣りのいきさつまで、初公開の秘蔵話ばかり。「釣りキチ三平」にも登場した日本ルアー&フライ界の重鎮、ハンク高田氏の巧みな話術に抱腹絶倒です。

日本フライフィッシング1万字年表は、日本フライフィッシング50年における様々な事象を掘り起こして『フライの雑誌』編集部が初めてまとめた、これまで誰もやっておらず、どこでも読めない文化史です。

すべてのフライフィッシャーマンが必読、要保存の大特集企画です。

高田 トンネルのなかった頃の銀山湖なんて、一日に50オーバーが15匹は釣れたもんだよ。それをストリンガーにつけて、わっしょい、わっしょいって、担いで宿へ帰ってきたわけ。バケツ持ってこい、いや今日はたらいだぞなんて言ってた。

そうしたら上から変な親父が降りてきてさ。「君たち、ずいぶん釣ったなあ」なんて。

「こんなもんじゃないですよ、一生懸命釣ったらもっと釣れるんだ」と言ったら、「ちょっと釣り過ぎだね」って言ったのが開高健だよ。

山田 あとで「奥只見のイワナは車夫馬丁のやからに乱獲され」って書いてたわね。

高田 「車夫馬丁」になっちゃった。(笑)

特集◎万博とカーターさんの頃
日本フライフィッシングの軌跡2
特別座談会:道楽を誇ろう。
高田弘之×山田安紀子×鈴木俊一

山田安紀子
1938年生。1973年産報出版入社。『フィッシング』、『別冊フィッシング』の編集を経て、国内初のルアー&フライ専門誌『アングリング』を創刊。後に編集長をつとめる。様々なムーブメントを仕掛け、人材を発掘。ルアー&フライの勃興期を編集者の立場から演出した。

高田弘之
1925年生。日本疑似餌釣連盟(JLAA)、ジャパン・フライキャスティングクラブなどの創設に関わる。誰もが認める日本のルアー&フライ界のパイオニア。温厚で剛胆な人柄を慕う人は多い。著書、寄稿は膨大。’81年、忍野で当時のアメリカ大統領カーター氏に日本の釣りを案内した

鈴木俊一
1952生。釣り好きの少年だった10代に高田弘之氏の薫陶を受けた。銀山湖、中禅寺湖、アラスカなど、国内外を問わず、いい時期にいい釣りをしてきた。プロショップサワダ社員を経て、後に新宿にて「フライボックス・リトレス」経営

※敬称略

特集他記事
○1970年代フライロッド総覧
○海の向こうからやって来た釣り人たち
○「ルアー&フライ」と呼ばれていた時代の主役
○「別冊フィッシング」と「アングリング」の挑戦
○編集部謹製・日本フライフィッシング史、10000字年表
○私のフライフィッシング原風景

かつてフライフィッシングは特権階級のたしなみだった。一般の趣味として開かれたのは、ずっと下って1960年代のこと。欧米とは異なる自然環境と魚たちのもと、日本のフライフィッシングは独自の発展を遂げ、現在は世界のフライシーンをリードしている要素も多々ある。

’60年代末から’70年代初頭、一握りの新しもの好きの釣り人がフライフィッシングへ興味をもった。不案内な状況の中で、そうであるがゆえに、釣り人は苦心して情報を集め、時には見当違いな回り道をしながら、この新しい釣りへあっというまに夢中になった。

私たちは先人が拓いた途の上にいる。途はなかばである。

フライの雑誌-第69号より。忍野でフライフィッシングを楽しむカーター米大統領と高田弘之氏。撮影は菅井康司氏(当時山と渓谷社月刊「Outdoor」編集部/後の地球丸「FlyRodders」発行人)。写真提供:高田弘之氏 > PDFファイルで公開します。
[フライの雑誌-直送便] 「フライの雑誌」次号第114号は6月に発行します
フライの雑誌-第61号(2005)品切れ
フライの雑誌 113(2017-18冬春号): ワイド特集◎釣り人エッセイ〈次の一手〉|川野信之/黒石真宏/碓井昭司/本村雅宏/渋谷直人/平野貴士/坂田潤一/遠藤早都治/加藤るみ/田中祐介/山本智/中原一歩/山﨑晃司
○天国の羽舟さんに|島崎憲司郎
○〈SHIMAZAKI FLIES〉シマザキフライズ・プロジェクトの現在
 この夏のオイカワ釣り
真柄慎一 『フライの雑誌』第113号
本体1,700円+税〈2017年11月30日発行〉
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