パタゴニアさんのウェブサイトから。
今日のアングラーがキャスティングと同じくらい熱心に励み、実践すべき配慮と技を、ここにご紹介します。
おそらく『フライの雑誌』の読者さんにとって、ここにまとめられた提言に目新しい要素はないでしょう。でも世界的に名の知れたアウトドアメーカーが、自社の媒体で広く呼びかけることには大きな意味があります。
もしその流域の生息数が危ぶまれたら、釣らないか、針の付いていないフライを使いましょう。
ポイントを折ったポイントレス・フックでの釣りについては、日本でもかなり前から一部のフライフィッシャーがお遊びとして唱えていました。『フライの雑誌』誌面でもとりあげたことがあります。ご自由にという以上の意味はないと思います。
日本のマス釣りでは、近年の気温上昇が問題になっています。
水位(流水量)が低すぎるときや、水温が高すぎるときは、魚を釣らないようにしましょう。
この提言は注目されていいでしょう。水温が高いのは溶存酸素量が少ないのと基本的にイコールです。魚の身になって感じてみましょう。苦しくなってきますよね。
ここで挙げられているキャッチ・アンド・リリースの手法については、一般の釣り場ではもちろんのこととして、日本の場合では各地のキャッチ・アンド・リリース区間や、管理釣り場でのマナーを、改めて見直すきっかけにしてはいかがでしょう。
日本の内水面漁協、および多くの管理釣り場は、さまざまな複合的な要因により、経済的にたいへん厳しい状況にあります。初心者さんならともかく、ベテランさんの域に入った自覚があるなら、入れ食いの最中でふと冷静になってみましょう。〝いくら放すからって、そんなにたくさん数を釣らなくてもいいかな。どうせ釣れるんだし。〟という、自らの心の声に耳を傾けてみましょう。(自戒を込めて)
釣りは個人の遊びです。釣った魚をリリースすることで、個人的なロマンに浸るのは自由です。とはいえ、胸を張ることじゃありません。他人に強制することでもありません。キャッチ・アンド・リリースに関する議論は、楽しい遊びを長続きさせるにはどうすればいいか、という身勝手な話です。そして、みんなで考えてみよう、という社会的な話です。
cf.
【公開記事】リリース雑感(水口憲哉)|フライの雑誌-第117号より(2019)
【公開記事】あの頃、私たちは飢えていた。|フライの雑誌-第117号特集◎〈リリース釣り場 最新事情と新しい風〉より
フライフィッシングは、装備や技法の進化によって釣ること自体が容易になった。しかし、魚を適切にリリースする技を教えることには、何の努力もしていない。
「キャッチ&リリース」の思想が生まれて約100年、アングラーが実践すべき改訂版をここにご紹介します。https://t.co/CcoS9UxQ2b
— Patagoniajp (@PatagoniaJP) May 28, 2022
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おかげさまで売れています。『フライの雑誌』第124号は、待ちに待った春、ココロもカラダも自由な「春の号」です。