2023/11/11に報告した「遊漁船への救命いかだ義務化」問題は、現場知らずの国交省の雑な仕事が騒動の発端だった。
詳細は「これ遊漁船に積むって無理だろ!」、つり人社会長のブログなどをご覧ください。遊漁船業の監督官庁である水産庁の、常に国交省の顔色を伺うその場逃れ主義の対応も、情けないものだった。水産庁は本当に釣り人の味方なのかと疑う。
その後、日本釣りジャーナリスト協議会、全国の遊漁船船長などの怒りの働きかけ、釣り業界に近い政治家の動員などにより、展開があった。2023年12月22日、国交省が「旅客船・遊漁船等に対する安全設備の義務化について」を発表した。
その結果、遊漁船を対象とした救命いかだ義務化は、当面の間、延期となった。大切なのはここからであるのは間違いがない。ともあれ、目前の破綻は免れた格好だ。
本件について、パブリックコメントに集まった300件の声が、国交省の既定方針を動かしたことになっている。〝パブコメの反響に国交省が驚いた〟という。パブコメが本来の役割を果たしたのであれば、たいへん素晴らしい。
ただ、しかし、思い出してみよう。2005年の環境省・特定外来生物パブコメは、ブラックバスに関する意見総数107,815件を集めた。バスの指定反対95,620件、指定賛成12,195件だった。ところが、自民党小池百合子環境大臣の「あたしは認めない」パフォーマンスで、国民の声9万5千通がパーになった。忘れてはいけない。
ちなみに、本記事の取材について、小誌編集部は日本釣りジャーナリスト協議会主催の11月15日の意見交換会へ、リモートで参加しただけである。リモート参加しておいてよかった。まごうことなきコタツ記事であることを申し添えておきます。