クマに人が襲われたというニュースが、連日のように伝えられている。本年度のクマによる人身被害は既に100件を超え、過去最悪のペースで発生している。襲撃被害が増えている背景には何があるのか。ツキノワグマによる被害を防ぐために、どうしたらいいのだろうか。
<ツキノワグマ> 西はイランから、東は日本、ロシア極東部まで広く生息していたが、実態が科学的に調査されないまま、生息域の縮小や分断、胆のう狙いの乱獲などで生息数が減り続け、特に西アジアや南アジアでは絶滅が危惧されている。日本では本州で生息域が増えており、生息数は1960年代には9500頭余、80年代には8400~1万2600頭、2007年には1万6千頭と推計されてきたが、11年には環境省生物多様性センターが最大で9万5千頭余との推計を出した。
数百年単位で環境変化 動物生態学者・山崎晃司さん
ツキノワグマは、アジア全体で見ると、絶滅が心配されています。しかし、日本は例外です。日本では、既に絶滅した九州と絶滅の危機にある四国は別として、本州では近年、生息域が広がってきています。
かつて集落と、クマが生息する奥山の間には里山がありました。しかし里山を人が利用しなくなりました。里山は奥山と集落を隔てる野生動物との緩衝地帯でしたが、それがなくなってしまった。
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従来は人家近くに出没するクマは、ふだんの昼行性から夜行性に切り替えて目立たぬように行動していましたが、最近は昼間から堂々と現れている。明らかに習性が変わっています。これが今、秋田などで起きていることではないでしょうか。
では、どうすればいいか。<やまざき・こうじ> 1961年、東京都生まれ。2015年から東京農業大地域環境科学部教授。著書に『ツキノワグマ』(東京大学出版会)『ムーン・ベアも月を見ている』(フライの雑誌社)など。
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フライの雑誌 124号大特集 3、4、5月は春祭り
北海道から沖縄まで、
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ずっと春だったらいいのに!