昨日の上州屋八王子店さん。ティムコ&天龍のフライロッド試投会、ティムコ新製品、恒例の高橋章さんフライタイイング教室、ティムコ東瀬さんのフライキャスティング体験会と、メニューはにぎやか。初心者さん多し。
エアーボビンスレッダーの実物を手にした。話題の(と言っていい)アレは、これか。よくできている。ギミック感がすごい。意味ないじゃん、と言えばフライ用品のほとんどは世の中的には意味がない。おれは吸うよ、という方は吸えばいい。税込6,380円を出すかどうかはそれぞれの判断で、ここは、ようやりましたなあ、あんたも好きねえ、と言うべきだ。
ティムコの営業さんと秩父の内田さんが話しているのを側で聞いていた。フライ用品は素材の品質とかかっている手数の多さに比べれば、安価に市販されている、という話だった。内田さんは金属加工のプロである。なるほど、そういう見方もあるかと思った。
日本のフライフィッシング業界は、マーケットの大きさに比して、関わっている人間の数が非対称に多い。吹けば飛ぶような売り上げなのに、関係者がつぎこんでいる情熱の総量は桁違いだ。
フライフィッシングをやる人は、歴史的に、釣り人全体の2%から3%であるという。業界の売り上げは麻疹的にぶわっと増えることはあっても、すぐ落ち着いて、平均低空飛行である。それがここ20年くらいは超低空飛行の、水平線スレスレをヨタヨタ。
大メーカーからこういう質の高い、わけのわからない道具(ごめん)が出てくることに、時代の流れを感じる。たぶんフライフィッシングはいま、世の中から注目されている。バンブーロッドの界隈がここに来て、ふたたび三たびの盛り上がりを見せているのも、ひとつの現れだろう。今週末の釣りフェスティバル横浜では何年かぶりでフライフィッシング・コーナーが設置された。
フライラインはこれからまた空を目指して伸びていく。
そして空を目指しても目指さなくても、どうせ本質はあんまり変わらない。そこがフライフィッシングのいいところである。
「フライの雑誌」次号第130号は3月上旬発行予定です。
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