校了作業のために東京印書館さんへ京王線の特急で向かった。高尾駅で人身事故とかでけっこう混んでいた。
朝から足元がフラフラしてるようなおじいさんが、高幡不動駅で乗ってきた。ううーん、と体を伸ばして網棚へ鞄を載せようとして、鞄の脇へ挿してあったらしいコーヒーボトルを、ボクの膝へ落とした。蓋が外れてドバッとコーヒーが出た。こっちは座って本を読んでいたので、いきなり落下してきてワッと言う感じ。
まじですげ〜痛い。新品のパンツを汚いおじいさんの飲みかけのコーヒーでドバッと汚された。たまにしか街へ出ないし、たまにしか電車に乗らないのに、なんでボクの膝の上にコーヒーボトルが落ちてくるの。今日はツキがいいぜ。
おじいさんは、「すいません、すいません。」と言いながら、電車の床にひざまづいてハンカチでわたしのパンツを拭いてくれた。「もういいですから。」「すいません、すいません。」「もういいです。」「すいません、すいません。」「もういいですって!」。校了紙が濡れるのは免れた。
じいさんいいから早くおれの目の前から消えてくれ、と念じていたら、自分が電車を府中駅で降り遅れたという。
そもそも特急に乗る必要はなくて、各停に乗って分倍河原で乗り換えるのが、印書館さんへの通常ルートだった。何十回と通っている自分が今日に限ってなぜか間違えたばかりに、おじいさんのコーヒーボトルに直撃された。世の中はこんな偶然で回っているんだろう。
校了紙だけは失くさないようにせねばと、あとはずっと胸に抱えて行った。なぜなら今日はやばそうな日だから。
そのあとはこんな感じ。
印書館さんでの打ち合わせは問題なく終わった。初めて入った朝霞駅前の自家焙煎の喫茶店はまあまあだった。数年ぶりに入ったとんかつ屋さんはおそろしく不味くなっていた。浮間舟渡のHIRANOTSURIGUさんへ行こうとして東武東上線に乗り間違えた。
平野さんのところであれこれ話して、たまたま見つけた新しい古いリールを入手。これはよかった。若いおしゃれな読者さんにも会えた。カブラー斉藤さんに会ってみたいと言うので、「それはやめたほうがいいです」と言ったら平野さんとシンクロした。
ランブルさんへ行こうと銀座へ向かったが今日は定休日だった。これは失敗。丸の内線新高円寺駅からペリカン時代さんへ流れた。おいしいカレーをいただいていたらすぐに荻原魚雷さんが来てくれて、宇野浩二の話とか教えてもらってよかった。「麻雀放浪記じゃないけど人生6勝4敗ですね。」「それを言うなら9勝6敗ですね」など、楽しい会話。
魚雷さんへ伝えたかった『貧困旅行記』を再読して発見した鎌倉の葛西善蔵と、上野原の犬目宿の話もできた。魚雷さんがわざわざ持ってきてくれていた『街道を歩こう』はたしかにいい本だった。
最終的に今日の日は5勝4敗くらいでおさめた。
おじいさんのコーヒーボトルの呪霊を祓うことができたはずだ。
明日はいい釣りができるだろう。
おかげさまで「フライの雑誌」131号校了しました。次は美術印刷の雄、東京印書館さんのターンです。力を合わせて美しく楽しい本を作ります。最新号は7.12からの発送予定です。
> 申し上げづらいご案内です。(130号 釣り人の移住計画特集・直送便分)
単行本新刊『ブラックバス/ブルーギルのフライフィッシング』、2024夏出版します。
フライの雑誌 125(2022夏秋号)
> くわしい内容はこちら
Flyfishing with kids.
一緒に楽しむためのコツとお約束
子供と大人が一緒にフライフィッシングを楽しむためのコツとお約束を、子供と大人で一緒に考えました。お互いが幸せになれるように、子供が子供でいられる時間は本当に短いから。
子供からの声(10〜12歳)|大人からの声|水産庁からの声|子供と遊ぶための道具と技術と心がまえ|釣り人の家族計画|イギリスの場合|「子供釣り場」の魅力と政策性
特別企画◎シマザキワールド16 島崎憲司郎
座談会「みんなで語ろう、ゲーリー・ラフォンテーン」
そして〈シマザキフライズ〉へ
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