会議やシンポジウムの場で、意見や価値観が全く合わなかったとする。
その時、イライラして思わず発言を求めて挙手しちゃうわけだが、自分の意見なのにたいていうまく言えなくて、モゴモゴする。精神衛生上大変よろしくない。
わたしが挙手して喋る内容は、正当ながらも普通は言いづらいことらしい(言えてないけど)。だからその場の雰囲気も変になるというか、微妙な空気が流れる。おまえ、それ言って何になるのよ、察せよ、という圧を感じる。
自分でも、何もわざわざ俺が言わんでもな、と分かってはいる。でも言っちゃう。うまく言えない。だからとにかく疲れる。今までは(おれの頭が悪いから仕方ない。)と思ってきた。が、である。
四十肩痛いトシまで生きてきて、やっと分かったのは、そもそも自分は議論が苦手というより、嫌いなんだな。相手の非を追及するのも本質的に嫌い。
だから今後は、そっと離れる一手とする。
というわけで(全然関係ないけど)、次号「フライの雑誌」で本職にエッセイをお願いしたら、出てきた作品がすげえ良かった。思わず電話して、「失礼ですけどうまいですね!」と言ってしまった。
本職に「うまいですね」もないが、うまいものはうまい。相手を讃えるのは、とても楽しい。
「ぼくは、人間に絶望しない。」武器をすてよう
(花森安治 暮らしの手帖 第28号) pic.twitter.com/zrCnKb3awy— 堀内正徳 (@jiroasakawa) January 31, 2024
くせでつい右側を下にして寝ちゃうのだが、右には左側から移行してきた四十肩がいるのだった。いて。竿は振れる。
— 堀内正徳 (@jiroasakawa) February 1, 2024