2011年11月25日、山梨県が以下のように発表した。
県産農産物の放射性物質検査について
○県産農産物の放射性物質検査については、計画に基づき実施していますが、一部計画を変更(品目追加)し、検査を実施します。
[淡水魚]
解禁状況、養殖生産量を考慮し、次の魚種について検査を実施することにしました。魚種/検体数/採取場所等
ヒメマス(天然)/2/西湖、本栖湖
ワカサギ(天然)/2/山中湖、精進湖
ニジマス(養殖)/2/富士吉田市、山梨市
既報の通り、ここまで〈富士五湖のヒメマスとワカサギの放射性物質検査をしてください〉という多くの釣り人の声が山梨県へ届けられてきた。事態を理解した水産庁の釣り人専門官が、直接山梨県に折衝してもくれた。
山梨県が発表した今回の〈一部計画を変更(品目追加)〉には、それら釣り人からの働きかけが大きく寄与しているに違いない。
9.21、釣り人からの電話に山梨県水産担当者はこう答えた。
「釣り人ですけど、富士五湖のヒメマスとワカサギの放射性物質検査をしてくれませんか」
「隣県で検出されれば山梨も検査します」
「芦ノ湖のワカサギから出ていますが?」
「国の基準の500ベクレルを超えていませんから」
まさに木で鼻をくくったような対応で腹が立つ。〈調べるべきものを調べる〉、たったそれだけの当然の仕事を行政にしてもらうのに、どうしてこんなに時間がかかり、釣り人が苦労しなければならないのか。
測って出てくる放射性物質の数値は気になる。しかし、大事なことを市民から隠そう、ごまかそうとする行政の悪質はより根が深い。それこそが、まさに3.11以降の原発事故へ対するこの国の基本姿勢であり、「風評被害」を生んでいる大元である。
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